PROFILE
プロフィールポップな地獄絵図を「絵解き実演」で語る。
“現代人にとっての地獄”をテーマにした「ポップな地獄絵図」シリーズを制作。
伝統的な「地獄絵図」と、現代社会への風刺を掛け合わせ、作品ごとに「絵解き実演」という語りのパフォーマンスを伴うスタイルを展開しています。
※「絵解き」とは
ストーリー性をもつ絵画の内容や背景にある思想を、語りながら解説する行為、またはそれを専門に行う芸能を指します。文字を読めない庶民にも視覚的に伝わるため、絵解きは中世から近世にかけて広く親しまれてきました。紙芝居はこの絵解き文化の影響を受けて発展したものであり、現代のアニメーションや漫画にもその精神や構造が受け継がれているといわれています。
過去約10年間にわたって、2,000文字で価値観を言語化する日本語競技「弁論」に没頭した経験から、「絵で語ること」から逆算した独自の作品制作を行っています。
自ら感じ、考えることが求められる現代アートのあり方に対し、あえて“語り手”として意味を提示することで、宗教画本来の役割に立ち返る試みとしてアート活動に取り組んでいます。
また、「地獄」というテーマの作品の性質上、作品の鑑賞者に圧迫感を与えてしまうため、表現方法として「デジタル」であえて作品を描くことで、鑑賞者と地獄との「距離感」を担保できるようにしています。


地獄絵図『あそびごころ』

なぜ “地獄絵図”なのか?
私は、地獄絵図が大好きです。
休日には地獄絵図のある寺院を巡り、図鑑を読み漁り、自ら描くほど魅了されています。
現在、熊野比丘尼(地獄極楽の絵解きをしながら、熊野三所権現勧進のため諸国を歩く尼僧)の方に弟子入りすることを試みています。
なぜ、ここまで地獄絵図に心惹かれるのか。
それは、ネガティブな話題について語ってはいけない現代社会の風潮に、息苦しさを覚えて生きているからです。「〇〇について良くないと思う」「〇〇は問題だと思う」というニュアンスが含まれた投稿をするだけで、SNS上で炎上してしまう昨今、「問題があること」よりも「問題について“語りえぬこと”」が最大の問題だと感じています。
ブラックユーモアを交えた地獄絵図を囲んで対話すると、「分かる!」「私だけじゃなかったんだ!」という共感とともに笑いが生まれます。ネガティブな話題を笑いながら共有できるのは地獄絵図だけです。
「こんなふうにならないようにしたい」
「今の自分はこのあたりにいるかもしれない」
そんな気づきや癒しを届けられる、“飾りたくなる地獄絵図”を目指し、今を生きる私たちの「地獄」をポップに可視化することを試みています。
『教育人体模型』「もし教育が“ひとつのカラダ”だったら?」という問いから、現代の教育が抱える「光」と「闇」を描いた作品です。赤い部分は体温が高い部位(教育の光)、青い部分は体温が低い部位(教育の闇)を表しています。全46場面にわたり、総勢167名のキャラクターが描かれています。
解説資料はこちら
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1WppRb4gnLdw6PqfZV7eHLFMqhuIghJl2JBno_O3HwGg/edit?gid=0#gid=0
描ききる。語りきる。──インクルーシブなカオス
1枚の絵に数十〜数百の要素や登場人物を盛り込み、テーマにまつわる構造や背景を抜け漏れなく可視化する「ごちゃ絵(GOCHAE)」という表現手法(※1)を得意としています。また、自身もごちゃ絵を普及する団体「ごちゃ絵協会」の理事(※2)として活動しています。
ユーモアと皮肉を交えながら、緻密な描写と情報量の多さで、“見る”と“語る”の両軸から世界を構築しています。
すべての登場人物や場面には設定があり、1作品で何時間も語ることができるのが特徴です。
※1:「ごちゃ絵」=1枚の中にたくさんのモチーフや情報が詰まった絵
※2:「ごちゃ絵協会」=「ごちゃ絵」という言葉の認知度を高め、ごちゃ絵というジャンルを確立することを目的とした協会

『東京ジャングル』
煩悩と同じ数である108匹の動物たちによって、現代社会における「働く」に関する地獄を描いた作品です。昔ながらの日本企業、独立後の弱肉強食な世界、独立しても真の自由を得られない起業家やフリーランス、さまざまな苦悩や葛藤を抱えるベンチャー企業などを、「動物園」と「サバンナ」のメタファーになぞらえて表現しています。
転職者を必死に引き留める「やめないでくだサイ」、歯車のように働く「ハグルウマ」、なかなか転職に踏み出せない「いつか辞めタイガー」、電話に羽をぐるぐる巻きにされてテレアポをさせられる「テレアポッポ」など、108匹すべてに名前と設定があります。
<English>
Speaking Through “Pop Hell Scrolls” with E-toki Performances
I create a series called “Pop Hell Scrolls” themed on the “Hells of Modern Life.”
This series fuses traditional Jigoku-e (hell scrolls) with satire on contemporary society, and each work is accompanied by a storytelling performance called E-toki.
What is Etoki?
E-toki refers to the act—or the traditional performing art—of narrating and explaining the story, themes, and underlying ideas of a painting while showing it to the audience. Originating in medieval Japan, it was widely enjoyed up until the early modern period, especially because it could visually communicate ideas to those who could not read. Kamishibai (paper theater) developed under the influence of this E-toki culture, and the spirit and structure of E-toki are said to live on in modern animation and manga.

Hell Scroll: Playful Spirit
Why “Hell Scrolls”?
I love hell scrolls.
On my days off, I visit temples that house them, devour illustrated encyclopedias, and even create my own. I am currently attempting to apprentice under a Kumano Bikuni—a nun who traveled across Japan performing E-toki of heaven-and-hell scrolls to promote pilgrimages to the Kumano shrines.
Why am I so drawn to hell scrolls?
Because I live in an age where speaking openly about negative topics feels suffocating. In today’s social climate, a single post expressing “I think X is a problem” can trigger online backlash. I believe the greatest issue is not that problems exist, but that we are discouraged from speaking about them at all.
ブラックユーモアが込められた地獄絵図の周りに人々が集まると、会話は笑いと相互理解へと発展します。「私も同じ気持ち!」「私だけかと思った!」地獄絵図は、他の媒体ではできない方法で、難しいテーマを軽妙に共有することを可能にします。
次のような洞察が得られます。
「自分にはこんなことが起こらないようにしたいんです。」
「これが今の私の居場所なのかもしれない。」
私の目標は、現代社会で私たちが直面している地獄をポップに表現し、人々の意識を高め、安心感を与え、壁に飾りたくなるような「飾って損ないのない地獄絵巻」を制作することです。
教育用解剖モデルもし「教育」が一つの身体だとしたら?
本作は、現代教育の光と影を視覚化しています。赤い部分は「体温」(教育の光)の高さ、青い部分は「体温」(教育の闇)の低さを表しています。46のシーンに、総勢167人の登場人物が描かれています。
解説資料は以下の通りです:
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1WppRb4gnLdw6PqfZV7eHLFMqhuIghJl2JBno_O3HwGg/edit ?gid=0#gid=0
すべてを描き、すべてを語る。—インクルーシブ・カオス
私は「ゴチェ(cluttered drawing)」と呼ばれる表現手法を専門としています。これは、数十から数百の要素や人物をぎっしりと詰め込み、テーマの構造や背景を余すところなく描き出す絵画表現です。また、この表現を普及させ、ジャンルとして確立することを目指す団体「ゴチェ協会」の理事も務めています。
ユーモアと皮肉を織り交ぜ、緻密な描写と情報量豊かな構成を通して、視覚的にも物語的にも世界を創り上げます。登場人物やシーンそれぞれに背景があり、一つの作品について何時間も語り続けることができます。
※1:「ゴチェ」=一枚の絵の中に多くのモチーフや情報がぎっしり詰まったイラストのこと
※2:「ゴチェ協会」=「ゴチェ」という用語を広め、芸術ジャンルとして定着させることを目指す団体
東京ジャングル人間の煩悩の数に匹敵する108匹の擬人化された動物たちによる「職場動物園」は、現代社会における労働地獄を描き出しています。
旧態依然とした日本の大企業から、独立後の過酷な世界、真の自由を得られない起業家やフリーランス、そしてそれぞれのジレンマに苦しむベンチャー企業まで、この作品は動物園やサバンナといった比喩を用いて表現されています。
108 匹の動物にはそれぞれ名前と背景があります。
- 「Don't Leave-phant」(転職を阻止しようと必死)
- 「歯車のように永遠に動く」
- 「いつか辞めたい虎」(転職に踏み切れない)
- 「テレポ・ダブ」(電話コードに巻き付けられ、果てしない勧誘電話を強いられる)
translate
CAREER
経歴2011年 日本語競技「弁論」を始める
2015年 文部科学大臣杯全国青年弁論大会 優良賞受賞
弁論文化の発展及び弁論人口増加に向けた啓蒙活動を開始
2021年 「言葉」から「絵」へと表現方法を転換
2022年 『東京ジャングル』制作
2024年8月「Independent Tokyo 2024」出展(株式会社タグボート・徳光健治様、Miaki Gallery・Kevin Yang様、ホテル雅叙園東京・柚木啓様より推薦シールをいただく)
2024年12月~3月 ホテル雅叙園東京の東京都指定有形文化財「百段階段」にアート作品『ちいさな世界』展示
2025年8月「Independent Tokyo 2025」出展(株式会社タグボート・徳光健治様、株式会社チグニッタ・谷口 純弘様より推薦シールをいただく)

(上記作品『ちいさな世界』:ホテル雅叙園東京の館内に有する東京都指定有形文化財「百段階段」にて2025年開催の「ミニチュア×百段階段〜文化財に広がるちいさな世界〜」にて展示)
<英語>
2011年
日本語の競技スピーチ形式である弁論に参加し始める。
2015年
全国少年弁論大会(文部科学大臣杯)優秀賞受賞。
弁論文化の普及と参加者増加を目指し、広報活動を開始。
2021年
言語表現(「言葉」)から視覚表現(「アート」)へ移行。
2022年
アート作品「Tokyo Jungle」を制作。
2024年8月
Independent Tokyo 2024に出展
。徳光謙司氏(タグボート株式会社)、ケビン・ヤン氏(ミアキギャラリー)、柚木啓氏(ホテル雅叙園東京)より推薦印を頂く。
2024年12月~2025年3月
ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」に「A Small World」を出展。
2025年8月
Independent Tokyo 2025に出展
。徳光謙司氏(タグボート株式会社)、谷口吉弘氏(チグニッタ株式会社)より推薦印を頂く。

(上記作品「小さな世界」:ホテル雅叙園東京内、東京都指定有形文化財「百段階段」にて開催される2025年企画「ミニチュア×百段階段 文化財に広がる小さな世界」にて展示)
2015年 文部科学大臣杯全国青年弁論大会 優良賞受賞
弁論文化の発展及び弁論人口増加に向けた啓蒙活動を開始
2021年 「言葉」から「絵」へと表現方法を転換
2022年 『東京ジャングル』制作
2024年8月「Independent Tokyo 2024」出展(株式会社タグボート・徳光健治様、Miaki Gallery・Kevin Yang様、ホテル雅叙園東京・柚木啓様より推薦シールをいただく)
2024年12月~3月 ホテル雅叙園東京の東京都指定有形文化財「百段階段」にアート作品『ちいさな世界』展示
2025年8月「Independent Tokyo 2025」出展(株式会社タグボート・徳光健治様、株式会社チグニッタ・谷口 純弘様より推薦シールをいただく)

(上記作品『ちいさな世界』:ホテル雅叙園東京の館内に有する東京都指定有形文化財「百段階段」にて2025年開催の「ミニチュア×百段階段〜文化財に広がるちいさな世界〜」にて展示)
<英語>
2011年
日本語の競技スピーチ形式である弁論に参加し始める。
2015年
全国少年弁論大会(文部科学大臣杯)優秀賞受賞。
弁論文化の普及と参加者増加を目指し、広報活動を開始。
2021年
言語表現(「言葉」)から視覚表現(「アート」)へ移行。
2022年
アート作品「Tokyo Jungle」を制作。
2024年8月
Independent Tokyo 2024に出展
。徳光謙司氏(タグボート株式会社)、ケビン・ヤン氏(ミアキギャラリー)、柚木啓氏(ホテル雅叙園東京)より推薦印を頂く。
2024年12月~2025年3月
ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」に「A Small World」を出展。
2025年8月
Independent Tokyo 2025に出展
。徳光謙司氏(タグボート株式会社)、谷口吉弘氏(チグニッタ株式会社)より推薦印を頂く。

(上記作品「小さな世界」:ホテル雅叙園東京内、東京都指定有形文化財「百段階段」にて開催される2025年企画「ミニチュア×百段階段 文化財に広がる小さな世界」にて展示)
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