PROFILE
プロフィールアーティストプロフィール / Artist Profile
兵庫県在住。京都精華大学大学院 日本画領域 修了。
私は、幼少期より心に蓄積されてきた、俗世の感情や価値観とは異なる軸で成り立つ幻想的な世界のイメージを起点に、制作を続けています。そこでは、喜怒哀楽といった現実的な感情から距離をとり、一定の静けさを保つ精神状態の中で生まれる、曖昧でありながらも確かに存在するイメージたちが重要な役割を担います。現在は、その世界における中心的な存在――私の内側において反復される「存在するもの」の断片を、油彩によって描くことに集中しています。これは私にとって、記憶や感覚の層に積もったかすかな残響をすくい上げる行為であり、同時に、絵画という静的な形式を通して、感覚と空間のあいだに新たな関係性を生み出す試みでもあります。
幼少期からゲームの世界観や仮想空間、キャラクターなど「現実とは異なるもう一つの世界」に強く惹かれ、背景デザイナーやコンセプトアートのアーティストになることを志して美大進学を目指しました。その関心をもとに日本画を専攻。大学・大学院では日本画の技術と構成を学び、公募展での入選を重ねながら、評価基準の枠組みの中で自身の表現を成立させる工夫と、制作を通した学びを深めました。この経験は、現在の油彩作品における空間や構造への意識にも通じています。
大学院修了後も日本画での制作を続けましたが、自分の描きたい世界を100%表現するには限界を感じ、ゲーム業界に就職。再び自身の表現に立ち返りたい思いから退職し、現在の活動に至ります。
作品には、日本画で培った平面性や絵肌へのこだわり、ゲーム業界で得た空間構成・時間意識、そして幼い頃から慣れ親しんできたデジタルの視覚言語といった複数の背景が織り交ぜられています。伝統と現代の間にある感覚的なずれや、アナログとデジタルの狭間に浮かぶ新たな像を通して、現実とは異なるもう一つの世界の存在感を、見る人の中に静かに立ち上がらせることを目指しています。
主軸となる「Fragments of the Unknown」シリーズでは、これまでの制作の蓄積を踏まえつつ、自身の内面世界と現代視覚文化との融合を試み、現実と仮想、身体と精神、時間と空間の揺らぎを油彩の物質的な質感をもって可視化しています。今回提出している作品群はこのシリーズに属し、シリーズのテーマや表現の方向性を象徴するものです。
将来的には、背景世界そのものの可視化を試みる立体作品やプロダクトなど、表現媒体の拡張も視野に入れています。
私にとって表現とは、精神の揺らぎや衝動を静かなかたちで画面に定着させ、他者と共有する場を生み出す行為です。
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CAREER
経歴2014年 京都精華大学 大学院 芸術研究科 修士前期課程 日本画 修了
受賞
Independent Tokyo 2024 審査員特別賞 朴ソネ賞 受賞
入選歴・展示歴
2025年 SH GALLERY [現代と人間の交差点] グループ展 oil 展示
2024年 いい芽ふくら芽in OSAKA 入選 medium : oil
Independent Tokyo 2024 審査員特別賞 朴ソネ賞 受賞 oil
KANZEN 伊勢丹新宿 出品 oil
2023年 画家活動専念のためゲーム会社 退社
2020年 ゲームデザイナー系専門学校 卒業
ゲーム会社にデザイナーとして入社
2018年 ゲームデザイナー系専門学校 入学
2015年 第21回 花鳥画展 入選
2014年 第60回 全関西美術展 日本画 入選
第1回 改組新日展 日本画 入選
2013年 京展 入選
第59回 全関西美術展 日本画 入選
2011年 第57回 全関西美術展 日本画 入選
第43回 日展 日本画 入選
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