CREATORS

井口舞子

PROFILE

プロフィール
画家 1996年大阪生まれ、大阪在住 大阪デザイナー専門学校研究科卒業。

アクリル絵の具、油彩にて制作。

CDジャケット、webサイトのバナーなどのクライアントワーク、
ギャラリーやアートイベントなどで展示活動中。

様々なイベントでのライブペイントを行っている

[ステートメント]

日々の暮らしの中で植物を見かけると、隣人に向けるようなまなざしで彼らを見つめる瞬間があります。
彼らを見かけるたびに、
「まだここの子は元気だな」
「もういなくなっているな……」
と、まるで見知った誰かを気にかけるような気持ちで植物たちをまなざしてしまうのです。
私は「日々過ごす中で感じられる希望をその瞬間ごと留めたい」という思いで制作しています。
そして、その根底には「救い」がテーマとしてあります。

植物は、私にとって日常の中に見出し得る「希望」すなわち「救い」を象徴しています。
私の幼少期にはいつも自然の緑が身近な存在としてそこにあり、またそれが私にとって幸福な記憶で満ち溢れていました。
よくお手伝いをしていた実家の隣の畑のこと。
夏に遊びに行った田舎の祖母の家でいつもいっぱいの自然と戯れたこと。
ふと思い出される、そんな素朴な存在にこそ希望が内包されていると感じています。

私はずっと一貫したテーマを表現してきましたが、これまでその「救い」を表現するためのモチーフは多様に変化を遂げてきました。
はじめは、暗い世界に結晶のような星を希望に見立てて作品を描いていました。
次に、夜空に星が煌めく聖域のような「救われるための世界」を。
次第に日常世界とのつながりを意識するようになり、幻想的な聖域と現実世界との狭間の白昼夢のような作品へ。
そして現在、より日常の中で希望を見出したいという思いが強くなった結果、今の作風に至っています。

はじめは、私が私自身を救うために絵を描き始めたのがきっかけでした。
生きていく中で生まれた苦しみも、描くことで美しいものに昇華されていくことは私の救いになり得たのです。
その営みは次第に、「別の誰かにも同じように感じ取ってもらえる世界を描けたら」という願いにいつの間にか変わっていきました。

道端の片隅で、家のベランダで、街中で見かける素朴な植物たちの存在は時に刹那的です。
その生涯、姿形の変化は、人間のそれとは違う速度で歩みを進めます。
そんな彼らを、私が見つけたほんの瞬間の記憶だけでも、私の感じた形で残せたらいいなと思っています。
そんな刹那的な瞬間を捉えるために、私はいつも絵の具を使います。
いくらでも重ねて足し引きでき、瞬間的な空気感を留める作業に長けたアクリル絵の具も、偶然的な色の混ざり具合や画面上の質感、表現したい色味をそのまま表現するのに適している油彩も、それぞれ私の作風にかなり適した画材だと感じています。
そして、近年特に活動の中で力を入れているライブペイントは、そんな私の作風とも相互作用を生んでいます。
まさに瞬間を留め、その場で短時間で世界観を創り上げることに特化したこの手法は、私の普段の作品にものびのびとしたストロークや色使いとして良い影響を与えてくれています。

感じたものを感じた形で瞬間的に留めて残すことは、私にとってその時の感情とリンクした記憶を残す作業でもあります。
実際に感じた光、空気、香り、それらを絵の具で再現する作業の奥には、いつか消えゆく曖昧な記憶もずっとなくさずに持っていたいという思いがあります。
軒先のアロエも、花屋のチューリップも、道端の名も知らぬ雑草も、日々の暮らしのかけがえのない記憶のひとかけらです。
それらをも愛おしいと思ってしまうこの気持ちはほんの小さな希望となって、今この瞬間の私をキャンバスに向かわせてくれます。

translate

CAREER

経歴
1996年 生まれ
2017年 大阪デザイナー専門学校研究科卒業

個展
2018年4月「その先には」芝田町画廊(大阪)
2019年4月「Daydream」アトリエ三月(大阪)
2020年10月「セーブポイント」アトリエ三月(大阪)
2022年7月「Shining」FOLK old book store(大阪)
2023年6月「瞬きについて」ART COCKTAIL(大阪)
2023年11月-2024年1月「Flowers」chit-chat (兵庫)
2024年3月「Twinkle」アトリエ三月(大阪)

ライブペイント・公開制作歴
2019「HOSOKAWA BOTAFES ー細河ボタニカルフェスティバルー 」(大阪)
2020 大阪デザイナー専門学校 7階 (大阪)
2021「OSAKA LAUGH & ART 2021」大阪市中央公会堂 (大阪)
2021「BOTAFES'21」大阪池田市細河小学校跡地 (大阪)
2022「浜寺公園駅旧駅舎で金管五重奏とアートを楽しむ会」浜寺公園駅旧駅舎 (大阪)
2023「新感覚ストア2023」at MITERI (奈良)
2023「STAND art PARK」NU茶屋町4階STAND PARK(大阪)
2023「EXPO ART & MUSIC CAMP 」万博記念公園
2024「OSAKA ART MARKET」グランフロント大阪(大阪)
2024「新感覚ストア2024」at MITERI (奈良)

受賞歴
2016 - 京都国際映画祭 クリエイターズ・ファクトリー アート部門 優秀賞
2016 - 大阪デザイナー専門学校学内コンペ/ODC大賞west 最優秀賞
2018 - ベラドンナ・アート展 入選
2020 - 芝田町画廊/吉田杯 小作品コンテスト 準優勝
2022 - TRI-FOLD OSAKA/公募展「OSAKA indecompe TRI-FOLD OSAKA」ターナー色彩賞
2022 - ART COCKTAIL/第5回公募展「world」ギャラリー賞
2022 - GALLERY龍屋/公募展「TATSUYA ART COMPETITION 2022」ギャラリー龍屋賞

exsanple:

Born in 1996
Graduated from Osaka Designer's College in 2017

Solo Exhibitions
April 2018 "Beyond" Shibatacho Gallery (Osaka)
April 2019 "Daydream" Atelier Sangatsu (Osaka)
October 2020 "Save Point", Atelier Sangatsu, (Osaka)
July 2022 "Shining" FOLK old book store, (Osaka)
June 2023 "About Blink" ART COCKTAIL (Osaka)
November 2023 - January 2024 "Flowers" chit-chat (Hyogo)
March 2024 "Twinkle" at Atelier Sangatsu (Osaka)

Live painting and public productions
2019 "HOSOKAWA BOTAFES - Hosokawa Botanical Festival" (Osaka)
2020 Osaka Designer's College, 7th floor (Osaka)
2021 "OSAKA LAUGH & ART 2021" OSAKA CENT. PUBLIC HALL, (Osaka)
2021 "BOTAFES'21" at the site of Hosogawa Elementary School, Ikeda (Osaka)
2022 "Enjoying Brass Quintet and Art at Hamadera-Koen Station Old Station Building" Hamadera-Koen Station Old Station Building (Osaka)
2023 "New Sense Store 2023" at MITERI (Nara, Japan)
2023 "STAND art PARK" at STAND PARK, NU Chayamachi 4F (Osaka)
2023 "EXPO ART & MUSIC CAMP" at Expo '70 Commemorative Park, (Osaka)
2024 "OSAKA ART MARKET" Grand Front Osaka (Osaka)
2024 "New Sense Store 2024" at MITERI, (Nara, Japan)

Awards
2016 - Kyoto International Film Festival, Creator's Factory, Art Division, Excellence Award
2016 - Osaka Designer College Intramural Competition/ODC Grand Prize west, Grand Prize
2018 - Selected, Belladonna Art Exhibition
2020 - Second Prize, Shibatacho Gallery/Yoshida Cup Small Works Contest
2022 - TRI-FOLD OSAKA/public competition "OSAKA indecompe TRI-FOLD OSAKA" Turner Color Prize
2022 - ART COCKTAIL / 5th Public Call for Entries "world" Gallery Prize
2022 - GALLERY TATSUYA/Publicly solicited exhibition "TATSUYA ART COMPETITION 2022" Gallery Tatsuya Prize

translate